AquaDraft Ops Automation 要件定義書(ADO-RD-001)

この記事について
連載「AI時代にIT業界に求められるスキルや人材は何か」で進めている、AquaDraftの運用をAIで自動化するプロジェクトの成果物です。実際に作成した要件定義書(文書番号 ADO-RD-001)を、体裁を変えずそのまま公開しています。本文が「である調」なのは、社内で使う設計文書の様式に合わせているためです。
プロジェクトの経緯はAI時代にIT業界に求められるスキルや人材は何か -実践編 #1-をご覧ください。
この文書の上位にあたる要求分析書(ADO-RA-001)もあわせて公開しています。
全体スケジュールとタスク一覧はプロジェクト計画書(ADO-PP-001)にまとめてあります。

文書管理情報

項目 内容
文書番号 ADO-RD-001
文書名 AquaDraft Ops Automation 要件定義書
版数 1.0
作成日 2026-08-20
最終更新日 2026-08-20
作成者 Claude(実行・分析担当)
承認者 プロジェクトオーナー(やまかず)
承認状態 未承認
機密区分 公開(WordPress上で公開管理する。秘匿値・個人情報は記載しない)
上位文書 ADO-RA-001 要求分析書
関連文書 ADO-PL-001 企画書

改訂履歴

版数 日付 改訂者 改訂内容
1.0 2026-08-20 Claude 初版作成。要求分析書(ADO-RA-001)の要求REQ-001からREQ-024を要件へ展開

1. はじめに

1.1 本書の目的

本書は、要求分析書(ADO-RA-001)で確定した要求事項を、実現すべき要件として定義することを目的とする。

本書は「何を実現するか」を定義するものであり、実装方式の詳細は基本設計以降で取り扱う。

1.2 適用範囲

要求分析書1.2に定める範囲と同一とする。

1.3 対象読者

要求分析書1.3に定める対象と同一とする。

1.4 用語定義

要求分析書1.4の用語定義を継承する。本書で追加する用語を以下に示す。

用語 定義
素材マスタ 素材の名称、カテゴリ、特徴、追加日等を保持する構造化データ。告知文および記事生成の唯一の材料元となる
通し回帰テスト 起動から保存までの操作の流れを最初から最後まで再現し、既存動作の破壊を検知するテスト
フォールバック 自動処理が失敗した際に、業務を止めないために切り替える代替手段
エスカレーション 自動処理では判断できない事象を、オーナーの判断へ引き上げること

1.5 要件IDの体系

接頭辞 対象
FR-1xx 機能要件(素材管理)
FR-2xx 機能要件(品質・開発)
FR-3xx 機能要件(監視・レポート)
FR-4xx 機能要件(発信)
FR-5xx 機能要件(記録・トレーサビリティ)
NFR-1xx 非機能要件(可用性)
NFR-2xx 非機能要件(性能・拡張性)
NFR-3xx 非機能要件(運用・保守性)
NFR-4xx 非機能要件(移行性)
NFR-5xx 非機能要件(セキュリティ)
NFR-6xx 非機能要件(システム環境)

非機能要件の分類はIPA「非機能要求グレード」の6大項目に準拠する。

2. システム化の方針

2.1 基本方針

業務単位でAIの信頼度を評価し、評価結果に応じた自動化の度合いを適用する。評価と適用は着手前に必ず実施し、判定結果を記録する。判定は運用実績に基づいて見直す。

2.2 AI評価基準(カテゴリ別)

すべてのタスクは、着手前に以下の4カテゴリのいずれかに判定する。

カテゴリ 判定基準 該当例
高信頼 正解が一意に定まる、または機械的に検証可能な作業 コミットログ要約、アクセス集計、定型レポート生成、既存素材との差分抽出
中信頼 複数の妥当な出力がありうるが、誤りがあっても被害が限定的で、人間が容易に検知・修正できる作業 改善案の下書き、告知文・記事の下書き、課題の起案
低信頼 誤りの影響が大きい、または正解の基準自体が曖昧な判断 優先順位の決定、公開可否の判断、障害原因の断定
自動化禁止 誤りが致命的、または倫理・セキュリティ上のリスクを伴う セキュリティ関連の変更、本番反映、外部公開の最終判断、素材のクオリティ判定

2.3 自動化分類

評価カテゴリを受けて、各業務に以下の5段階を適用する。

分類 運用
A 完全自動化。人間の確認なしで実行してよい
B AI補助。AIが下書き・提案・集計を作り、人間が確認・仕上げる
C 条件付き自動化。通常は自動だが、一定条件を超えたら人間に判断を仰ぐ
D 人間確認必須。AIは材料を用意するだけで、実行判断は必ず人間が行う
E 自動化しない。常に人間が担う

2.4 評価カテゴリと自動化分類の対応

AI評価カテゴリ 適用する自動化分類
高信頼 A
中信頼 B
低信頼 CからD
自動化禁止 DからE

上記は目安であり、業務ごとの個別事情により調整する。調整した場合は理由を記録する。

3. 業務要件

3.1 業務別の適用分類

業務ID 業務 AI評価カテゴリ 自動化分類 適用理由
BIZ-01 素材追加 工程により異なる(3.2参照) 工程により異なる 判断工程と作業工程が混在するため工程単位で判定する
BIZ-02 不具合修正 中信頼(検知は高信頼) AからB 検知・再現は機械的に可能。修正内容はレビューを要する
BIZ-03 UI改修・機能追加 中信頼 B 実装はAI、採否はオーナー
BIZ-04 課題・改善案の管理 中信頼から低信頼 BからD 材料の集約はAI、優先順位の意思決定は人間
BIZ-05 告知(SNS) 中信頼 BからC 素材マスタからの生成は自動、配信実行は条件付き
BIZ-06 ブログ記事作成 中信頼 B 下書きはAI、公開判断は人間
BIZ-07 アクセス解析の確認 高信頼(取得・集計)、低信頼(対応判断) AからC 取得・集計はA、異常後の対応要否はCでエスカレーション
BIZ-08 本番反映 自動化禁止 D 失敗時に取り返しがつかない。既存ルール
BIZ-09 運用状態の把握 高信頼(集計)、中信頼(解釈) AからB 集計はA、解釈コメントの付与はB
BIZ-10 セキュリティに関わる変更 自動化禁止 E 常に人間が担う

BIZ-08およびBIZ-10は、本プロジェクトの方針(人間の関与を可能な限り削減する)の例外として固定する。ここを自動化した場合、失敗時に復旧できず、検証そのものが成立しなくなるため、人間を残すこと自体が合理的な判断である。

3.2 素材追加業務のTo-Beフロー

現行13工程(要求分析書3.3)に対する、実現後の担当と分類を以下に定める。

工程No 工程 To-Be担当 評価カテゴリ 自動化分類 備考
1 人気素材の調査 Claude 中信頼 B 情報源は自動取得が可能かつ規約上許諾された経路に限定する
2 既存素材との差分抽出 Claude 高信頼 A 素材マスタとの機械的な突き合わせ
3 追加対象の選定 Claude 低信頼 C 優先順位ルール(人気の網羅、次にタイプ違い、その後ニッチ)に従い自動選定。オーナーの割り込み指定がある場合はそれを優先
4 参考情報の収集 Claude 中信頼 D 取得元の規約遵守を必須とし、経路はオーナーが承認したものに限る
5 画像生成の試行 Claude 中信頼 B
6 クオリティ判定 オーナー 自動化禁止 D 品質の根幹に関わる判断。承認必須(REQ-017)
7 3Dモデル化 Claude 中信頼 B 外部サービスの自動連携可否は未検証(OPEN-05)
8 モデルの受け渡し 廃止 素材マスタへの登録に統合し、工程として消滅させる
9 モデルの圧縮 Claude 高信頼 A
10 AquaDraftへの実装 Claude 中信頼 B
11 動作確認 Claude 高信頼 A 通し回帰テスト(FR-201)による自動確認
12 本番反映 オーナー 自動化禁止 D 承認必須(REQ-018)
13 告知 Claude 中信頼 BからC 素材マスタから各媒体向けに生成し配信

現行はオーナーが9工程を担っている。実現後にオーナーへ残る工程は、工程6(クオリティ判定)、工程12(本番反映の承認)、および工程4の経路承認の3点となる。工程8は素材マスタへの統合により消滅する。

3.3 タスク処理フロー(標準)

すべての業務は、以下の順序で処理する。日本のIT運用現場における変更管理・インシデント管理の流れに準拠する。

ステップ 実施内容
1 起票 トリガーの発生を記録する(コード更新、アクセス異常、改善のヒント、その他業務の発生)
2 影響度・リスク評価 AI評価カテゴリを判定する
3 実施方針決定 自動化分類(AからE)を決定する
4 承認 3.4の承認ルールに従う
5 実施
6 エビデンス記録 実施ログを残す
7 検証 完了確認を行う
8 完了報告 6.2の報告要件に従う
9 振り返り 評価カテゴリ・自動化分類の妥当性を見直す

3.4 承認ルール

自動化分類 承認の要否 承認者
A 承認不要
B Claudeが下書きを作成した後に承認 オーナー
C 通常は承認不要。条件超過時のみエスカレーション オーナー(条件超過時のみ)
D Claudeが起案し、実行判断を承認 オーナー
E 起案から実施までを担当 オーナー

4. 機能要件

優先度は要求分析書5.1のMoSCoW法に従う。

4.1 素材管理

要件ID 機能 内容 対応要求 優先度 分類
FR-101 素材マスタ管理 素材の名称(日英)、カテゴリ、特徴、サイズ、追加日、モデル情報を構造化データとして保持し、追加・更新できる。告知文および記事生成の唯一の材料元とする REQ-002 Must A
FR-102 素材候補の調査 規約上許諾された情報源から、候補となる素材の名称と参照情報を収集し一覧化する REQ-001 Must B
FR-103 既存素材との差分抽出 収集した候補と素材マスタを突き合わせ、未実装の素材を抽出する REQ-001 Must A
FR-104 追加候補の優先順位付け 抽出結果に対し、人気の網羅、タイプ違いの網羅、ニッチの順で優先順位を付与し、1回あたり1件から3件を選定する。オーナーの割り込み指定を優先できる REQ-001 Must C
FR-105 素材制作の支援 参考情報の整理、画像生成の試行、3Dモデル化の実行を支援する REQ-001 Must BからD
FR-106 クオリティ判定の承認受付 生成物をオーナーへ提示し、承認・却下を受け付け、結果を記録する。承認なしに後続工程へ進めない REQ-017 Must D
FR-107 AquaDraftへの組み込み 承認された素材を圧縮し、AquaDraftへ実装し、素材マスタへ登録する REQ-001 Must AからB

4.2 品質・開発

要件ID 機能 内容 対応要求 優先度 分類
FR-201 通し回帰テスト 起動、素材配置、レイアウト操作、保存、読み込みまでの一連の流れを再現し、既存動作の破壊を検知する REQ-005 Must A
FR-202 回帰テストの自動実行 コード変更および素材追加を契機に回帰テストを自動実行し、結果を記録する REQ-005 Must A
FR-203 描画性能の自動計測 素材追加のたびに描画性能を数値で計測し、素材マスタへ記録する。閾値を下回った場合は報告する REQ-012 Should C
FR-204 稼働監視・不具合検知 公開環境の稼働状態および実行時エラーを定期的に確認し、異常を検知する REQ-006 Must A
FR-205 利用者フィードバック受付 利用者からの不具合報告・要望を受け付け、記録する経路を提供する REQ-007 Should B

4.3 監視・レポート

要件ID 機能 内容 対応要求 優先度 分類
FR-301 解析データの定期取得 アクセス解析および検索パフォーマンスのデータを定期取得し、保持する REQ-008 Must A
FR-302 異常値検知 取得データに対し、既定の基準で異常値・急変を検知する REQ-008 Must A
FR-303 週次運用レポート生成 期間内のコード変更、素材追加、テスト結果、アクセス状況、検知した異常、未処理の課題を集約したレポートを自動生成する REQ-010 Must AからB
FR-304 即時通知 異常検知時およびテスト失敗時に、内容と発生時刻を即時にオーナーへ通知する REQ-011 Must A
FR-305 週次通知 正常時の情報は即時通知せず、週次運用レポートに集約してオーナーへ届ける REQ-011 Must A

4.4 発信

要件ID 機能 内容 対応要求 優先度 分類
FR-401 媒体別告知文の生成 素材マスタから、媒体ごとの形式・言語・文字数に合わせた告知文の下書きを生成する REQ-003 Must B
FR-402 素材辞典記事の下書き生成 素材マスタから、既存フォーマットに沿った素材辞典記事の下書きを1素材1本で生成する REQ-003、REQ-013 Should B
FR-403 リリースノートの生成 期間内のコード変更と素材追加から、リリースノートの下書きを日英で生成する REQ-013 Should B
FR-404 告知配信の実行管理 素材追加を契機に、対象媒体への配信を実行し、実施状況を記録する。未配信の媒体を検出できる REQ-004 Should C

4.5 記録・トレーサビリティ

要件ID 機能 内容 対応要求 優先度 分類
FR-501 タスク起票と評価記録 発生したタスクを起票し、AI評価カテゴリと自動化分類の判定結果を必ず記録する REQ-014 Must A
FR-502 実行ログの保持 すべての自動処理について、実行日時、対象、結果、失敗時の理由を記録し、後から追跡できる形で保持する REQ-015 Must A
FR-503 判定見直しの記録 評価カテゴリまたは自動化分類を変更した場合、変更前後と理由を記録する REQ-016 Must A
FR-504 成果物の公開管理 本プロジェクトの成果物をWordPress上の記事または固定ページとして公開・更新する REQ-021 Must D
FR-505 課題・改善案の下書き生成 開発ログ、検知した異常、利用者フィードバックから、課題および改善案の下書きを生成し記録する REQ-009 Should B

5. 非機能要件

5.1 可用性

要件ID 要件 対応要求
NFR-101 自動処理の仕組みはAquaDraft本体と分離し、自動処理の停止が本体の稼働に影響しないこと
NFR-102 自動処理が失敗した場合のフォールバックを業務ごとに定義し、業務が停止しないこと REQ-023
NFR-103 データ取得に失敗した場合も、週次運用レポートは欠測を明示したうえで生成されること REQ-010
NFR-104 自動処理の失敗そのものを検知できること。失敗が沈黙のまま放置されないこと REQ-006

5.2 性能・拡張性

要件ID 要件 対応要求
NFR-201 素材追加1件あたりの自動処理が、AI利用枠の1日分に収まること REQ-022
NFR-202 回帰テストの1回の実行時間が、夜間の稼働時間を圧迫しない範囲に収まること REQ-005
NFR-203 素材数の増加に対し、告知文生成および記事生成の処理が破綻しないこと REQ-003
NFR-204 素材追加により、AquaDraftの描画性能が既定の閾値を下回らないこと REQ-012
NFR-205 告知の対象媒体を追加できる構造とすること。媒体追加時に素材マスタの変更を要しないこと REQ-003

5.3 運用・保守性

要件ID 要件 対応要求
NFR-301 すべての自動処理の実行ログを保持し、任意の処理について実施経緯を追跡できること REQ-015
NFR-302 AI評価カテゴリおよび自動化分類の判定と、その見直し履歴を記録できること REQ-014、REQ-016
NFR-303 自動化の仕組みは、オーナー1名で保守できる複雑度に収めること。保守にオーナー以外の人手を前提としないこと CON-06
NFR-304 異常時は即時、正常時は週次で報告されること。正常時の即時通知は行わないこと REQ-011
NFR-305 定型作業の手順を文書化し、Claudeが同一の手順を再現できること。手順を都度考案しないこと

5.4 移行性

要件ID 要件 対応要求
NFR-401 手作業から自動処理への切替は業務単位で段階的に行うこと。一括切替を行わないこと
NFR-402 切替前後で同一の成果物が得られることを確認してから、手作業を廃止すること
NFR-403 自動化前の手作業手順を記録として残し、いつでも手作業へ戻せること REQ-016
NFR-404 既存の記事投稿基盤、ソースコードリポジトリ、アクセス解析基盤を置き換えないこと PRE-04、PRE-05

5.5 セキュリティ

要件ID 要件 対応要求
NFR-501 秘匿情報(APIキー、パスワード、トークン等)をAIへ送らず、ログにも出力しないこと REQ-020
NFR-502 秘匿情報は環境変数ファイル等で一元管理し、文書・記事・スクリプトへ直接記載しないこと REQ-020
NFR-503 本番反映は自動化せず、必ずオーナーの承認を経ること REQ-018
NFR-504 セキュリティに関わる変更を自動化しないこと REQ-019
NFR-505 成果物をWordPress上で管理し、個人アカウント配下のクラウドストレージに外部アクセス経路を作らないこと REQ-021
NFR-506 外部サイトの利用規約に反する自動取得を行わないこと。取得の可否が不明な経路は使用しないこと CON-03、CON-04
NFR-507 公開する成果物に、個人情報および秘匿情報を含めないこと REQ-020

5.6 システム環境

要件ID 要件 対応要求
NFR-601 自動処理は、オーナーのローカル環境および既存の実行基盤上で動作すること
NFR-602 新規の有償サービスを導入する場合は、事前にオーナーの承認を得ること
NFR-603 AquaDraft本体の技術スタックを変更しないこと 7.2(対象外)

6. 運用要件

6.1 運用体制

役割 担当 権限範囲
プロジェクトオーナー・最終承認者 オーナー 本番反映の可否、公開判断、素材のクオリティ判定、セキュリティ関連の最終判断
実行・分析・自動化設計 Claude 業務分析、自動化の設計・実装、レポート生成、下書き作成、AI評価カテゴリの判定

本表は分業のための体制表ではなく、現時点で人間側に残っている役割の棚卸しである。プロジェクトの進捗に伴い、オーナーの担当範囲が縮小することを進捗の指標とする。

6.2 報告要件

区分 タイミング 内容
即時報告 異常検知時、回帰テスト失敗時、自動処理の失敗時 事象、発生時刻、影響範囲、暫定対応の要否
週次報告 週1回 期間内のコード変更、素材追加、テスト結果、アクセス状況、検知した異常とその後、未処理の課題、AI評価カテゴリの判定実績

正常時の情報を即時通知しない。通知の頻度が高すぎると確認されなくなり、報告の目的が失われるためである。

6.3 例外処理・エスカレーション

事象 対応
自動処理が失敗した フォールバック(NFR-102)へ切り替え、即時報告する
分類Cの条件を超過した 処理を停止し、オーナーへエスカレーションする
判断が評価カテゴリの想定と異なった 処理を停止し、判定の見直し(FR-503)を起票する
外部サービスが利用不可になった 該当工程を手作業へ戻し、代替手段を検討する課題を起票する

7. 制約条件・前提条件

要求分析書8章のPRE-01からPRE-05、およびCON-01からCON-06をそのまま継承する。

8. スコープ外

要求分析書7.2に定める対象外項目をそのまま継承する。加えて、本書では以下を要件化しない。

項目 理由
多人数運用を前提とした権限管理 関与する人間はオーナー1名のみであり、権限分離の必要がない(CON-06)
障害時の自動復旧 本番反映が人間の承認を必須とするため、自動復旧は成立しない(NFR-503)
素材の自動公開 クオリティ判定と本番反映がいずれも承認必須であり、公開までの全自動化は行わない

9. 受入基準

本プロジェクトの各段階は、以下を満たした時点で完了とみなす。

基準ID 受入基準 対応要件
AC-01 素材追加1件について、オーナーの関与がクオリティ判定と本番反映の承認に限定されていること FR-101からFR-107
AC-02 通し回帰テストが自動実行され、失敗時に即時報告されること FR-201、FR-202、FR-304
AC-03 週次運用レポートが人手を介さず生成され、オーナーへ届くこと FR-303、FR-305
AC-04 すべてのタスクにAI評価カテゴリの判定記録が存在すること FR-501
AC-05 素材追加1件から、対象媒体分の告知文と素材辞典記事の下書きが生成されること FR-401、FR-402
AC-06 秘匿情報がログおよび公開成果物に出力されていないこと NFR-501、NFR-507
AC-07 任意の自動処理について、実行ログから実施経緯を追跡できること FR-502、NFR-301
AC-08 自動化を見送った、または人間へ戻した業務について、判断理由が記録されていること FR-503

AC-08は他の基準と性質が異なる。自動化の達成度ではなく、判断の記録が残っていることを問うものであり、本プロジェクトの目的(判断力を実績として示すこと)に直接対応する。

10. トレーサビリティマトリクス

要求ID 対応する要件ID 充足状況
REQ-001 FR-102、FR-103、FR-104、FR-105、FR-107 充足
REQ-002 FR-101 充足
REQ-003 FR-401、FR-402、NFR-203、NFR-205 充足
REQ-004 FR-404 充足
REQ-005 FR-201、FR-202、NFR-202 充足
REQ-006 FR-204、NFR-104 充足
REQ-007 FR-205 充足
REQ-008 FR-301、FR-302 充足
REQ-009 FR-505 充足
REQ-010 FR-303、NFR-103 充足
REQ-011 FR-304、FR-305、NFR-304 充足
REQ-012 FR-203、NFR-204 充足
REQ-013 FR-402、FR-403 充足
REQ-014 FR-501、NFR-302 充足
REQ-015 FR-502、NFR-301 充足
REQ-016 FR-503、NFR-302、NFR-403 充足
REQ-017 FR-106 充足
REQ-018 NFR-503 充足
REQ-019 NFR-504 充足
REQ-020 NFR-501、NFR-502、NFR-507 充足
REQ-021 FR-504、NFR-505 充足
REQ-022 NFR-201 充足
REQ-023 NFR-102 充足
REQ-024 未展開 未充足(優先度Could。本版では要件化しない)

REQ-024を除くすべての要求が要件へ展開されている。REQ-024は優先度Couldであり、本版では要件化を見送る。

11. 未決事項

要求分析書9章のOPEN-01からOPEN-04を継承する。本書で新たに発生した未決事項を以下に追加する。

番号 未決事項 決定期限 決定者
OPEN-05 3Dモデル化に用いる外部サービスの自動連携可否(FR-105、工程7) 該当機能の設計着手まで Claudeが調査しオーナーが承認
OPEN-06 各SNS媒体への配信を自動実行できるか、下書き生成までに留めるか(FR-404) 該当機能の設計着手まで オーナー
OPEN-07 週次運用レポートの配信先(記事、通知、その他) Phase 1の設計着手まで オーナー
OPEN-08 回帰テストに用いるテスト基盤の選定 Phase 1の設計着手まで Claudeが案を作成しオーナーが承認

OPEN-01に対する推奨

要求分析書OPEN-01(最初に着手する対象業務)について、本書の分析結果を踏まえた推奨を以下に示す。最終決定はオーナーが行う。

推奨: 素材追加業務の自動化(FR-101からFR-104)を先行させる。

理由は3点である。

  • 課題の影響度が最も高い。ISS-001は影響度「高」であり、かつ現在の主業務である
  • 素材マスタ(FR-101)が他機能の前提になっている。告知文生成(FR-401)、素材辞典記事生成(FR-402)、描画性能の記録(FR-203)はいずれも素材マスタを材料元とするため、先に構築すると後続の設計が単純になる
  • 週次運用レポート(FR-303)は集約先であり、集約対象が存在しない段階で構築しても報告する内容が乏しい

ただし、検知の欠落(要求分析書4.2 系統2)は最終ゴールに対する直接の阻害要因であるため、通し回帰テスト(FR-201)を素材追加自動化と並行して整備することを推奨する。素材追加を自動化しながら動作確認を人手に残すと、自動化した分だけ確認の負荷がオーナーへ集中し、かえって悪化するためである。

以上