このブログの記事の画像は、外の会社のサービスではなく、自分のパソコンの中で動かす画像生成AIで作っています。これまでは「Forge(フォージ)」というソフトを使っていましたが、今回の記事から、画像を作るソフトを「ComfyUI(コンフィーユーアイ)」に切り替えました。
使っているパソコンのグラフィックボードは、VRAM(ビデオメモリ)が6GBの「RTX 3050」です。画像生成AIを動かすには、決して余裕のある性能ではありません。それでも、設定を工夫すれば、1枚あたり40秒ほどで、ブログに使える画像を作れています。
この記事では、ComfyUIとはどんなソフトなのか、VRAM 6GBのパソコンで実際に使っている設定、そして画像を作るときによく起こる失敗と、その減らし方を、画像生成AIを使ったことがない人にもわかるようにまとめます。
この記事のポイント
- ComfyUIは、部品をつないで画像を作る流れを組み立てるソフト
- VRAM 6GBのRTX 3050でも、低VRAMモードで動かせる
- モデルはRealVisXL V5.0、1344×768で1枚あたり約40〜48秒
- 2つの作業を同時に流しても、1枚あたり約80秒になり、速くはならない
- 失敗の多くは「画面に入れるものが多すぎる」ことが原因
- 主役をひとつにしぼり、入れてほしくないものをはっきり伝えると失敗が減る
| 項目 | 自分の環境・設定 |
|---|---|
| グラフィックボード | RTX 3050(VRAM 6GB) |
| ソフト | ComfyUI(Windows用のポータブル版) |
| 起動のしかた | 低VRAMモード(–lowvram) |
| モデル | RealVisXL V5.0(fp16) |
| 画像の大きさ | 1344×768 |
| サンプラー | dpmpp_2m_sde(karras) |
| ステップ数 | 28 |
| CFG | 5 |
| 1枚にかかる時間 | 約40〜48秒 |
ComfyUIとは?

自分のパソコンで動く画像生成AI
画像生成AIには、大きく分けて2つの使い方があります。ひとつは、ChatGPTのように、インターネットの向こうにある会社のコンピューターで画像を作ってもらう使い方です。もうひとつは、自分のパソコンの中で画像生成AIを動かす使い方で、これをローカルと呼びます。
ComfyUIは、ローカルで画像生成AIを動かすための無料のソフトです。ローカルで動かすと、作る画像を外の会社に送らずに済み、使った分だけお金がかかることもありません。何枚作っても、かかるのはパソコンの電気代だけです。
「ノード」をつないで画像を作る
ComfyUIのいちばんの特徴は、ノードと呼ばれる部品を線でつないで、画像を作る流れを組み立てることです。たとえば、「モデルを読み込む部品」「文章を読み取る部品」「画像を作る部品」「画像を保存する部品」を順番につなぐと、ひとつの流れができあがります。このつないだ流れのことを、ワークフローと呼びます。
最初は線がたくさん並んでいて難しそうに見えますが、ひとつひとつの部品の役割は単純です。料理のレシピで、材料を用意して、切って、焼いて、盛り付けるという手順を図にしたもの、と考えるとわかりやすいと思います。
基本のワークフローに出てくる部品
ComfyUIを起動すると、最初から画像を作るための基本のワークフローが表示されます。主な部品は、次のとおりです。
| 部品の名前 | 役割 |
|---|---|
| Load Checkpoint | 使うモデルを読み込む |
| CLIP Text Encode | プロンプトの文章を、AIがわかる形に変える(作りたいもの用と、入れてほしくないもの用の2つ) |
| Empty Latent Image | 作る画像の大きさを決める |
| KSampler | 実際に画像を作る。サンプラーやステップ数、CFG、シードもここで決める |
| VAE Decode | AIの中の情報を、目で見える画像に変える |
| Save Image | できた画像を保存する |
まずはこの基本のワークフローのまま、プロンプトだけを書き換えて画像を作ってみるのがおすすめです。慣れてきたら、部品を足したり入れ替えたりして、自分なりの流れを組み立てていけます。
Forgeとの違い
これまで使っていたForgeは、入力欄に文章を入れて、ボタンを押すと画像ができる、という画面のソフトです。すぐに使い始められるのが良いところです。一方のComfyUIは、ワークフローを自分で組み立てる分、最初は少しとっつきにくいですが、どんな順番でどんな処理をするのかを細かく決められます。
Forge
入力欄とボタンの画面で、すぐに使い始められる。はじめて画像生成AIを使う人にもわかりやすい。
ComfyUI
部品をつないで流れを組み立てる。最初は慣れが必要だが、処理の中身を細かく決められ、同じ流れを何度でも使い回せる。
ローカルの良いところと、大変なところ
ローカルで画像生成AIを動かすことには、良いところも大変なところもあります。実際に使ってみて感じたことを並べてみます。
良いところ
何枚作ってもお金がかからない。作る画像を外の会社に送らずに済む。設定を細かく決められ、同じ設定で何度でも作り直せる。
大変なところ
グラフィックボードの性能が必要。準備に手間がかかる。うまくいかないときは、原因を自分で探して直す必要がある。
ブログのように、記事ごとに何枚も画像が必要な使い方では、「何枚作ってもお金がかからない」という点がとても大きいと感じています。気に入らなければ、何度でも気軽に作り直せるからです。
ComfyUIに切り替えた理由
Forgeでも画像は作れていましたが、記事の画像の質をもう一段上げたいと考えて、ComfyUIに切り替えることにしました。ComfyUIは、画像を作る処理の中身を細かく決められるうえ、組み立てたワークフローをそのまま外から動かせます。記事の数が増えて、作る画像の枚数も増えてきたので、同じ設定で、まとめて、安定して画像を作れる仕組みがほしかった、というのも大きな理由です。
実際に使ってみると、最初の準備こそ少し手間がかかりましたが、一度流れができてしまえば、あとはプロンプトの一覧を用意するだけで画像が次々にできあがっていきます。
同じ流れを、何枚分でもくり返せる
ComfyUIでは、一度組み立てたワークフローを保存しておけば、文章(プロンプト)だけを入れ替えて、同じ設定で何枚でも画像を作れます。さらに、ComfyUIには外から命令を送る仕組みもあるので、自分で書いた小さなプログラムから、記事ごとの画像の文章をまとめて送り、順番に作らせることもできます。今回は、この仕組みを使って、記事10本分の画像を一度にまとめて作りました。
VRAM 6GBのRTX 3050で動かす設定

VRAMとは?
VRAM(ブイラム)とは、グラフィックボードに付いている、画像の処理に使う専用のメモリのことです。画像生成AIは、モデルと呼ばれる大きなデータをVRAMに読み込んで画像を作るので、VRAMが多いほど、大きなモデルや大きな画像を楽に扱えます。
自分のRTX 3050のVRAMは6GBです。画像生成AIを快適に動かすには、もっと多いVRAMがほしいところで、6GBは「なんとか動かせる」くらいの量だと感じています。
低VRAMモードで起動する
ComfyUIには、VRAMが少ないパソコン向けの低VRAMモードがあります。起動するときに「–lowvram」という指定を付けると、モデルを一度にすべてVRAMに読み込むのではなく、必要な分だけを少しずつ読み込むようになります。その分、少し時間はかかりますが、VRAMが足りずに止まってしまうことを防げます。
Windows用のポータブル版のComfyUIには、低VRAMモードで起動するための専用のファイルも用意されているので、それをダブルクリックするだけで起動できます。ポータブル版は、必要なものがひとつのフォルダにまとまっているので、パソコンに別のソフトを入れなくても使い始められるのが便利です。
使い始めるまでの流れ
Windows用のポータブル版のComfyUIは、次のような流れで使い始められます。
公式の配布ページから、Windows用のポータブル版をダウンロードします。
圧縮されたファイルを、好きな場所に展開します。フォルダの場所は、あとからわかりやすい場所にしておくと便利です。
使いたいモデルのファイルを、ComfyUIのフォルダの中にある「models」の「checkpoints」というフォルダに入れます。
起動用のファイルをダブルクリックします。VRAMが少ないパソコンなら、低VRAMモード用のファイルを使います。
起動すると、ブラウザでComfyUIの画面が開きます。自分の環境では「127.0.0.1:8188」というアドレスで開いています。
ComfyUIの画面は、インターネット上のWebサイトではなく、自分のパソコンの中で動いているものを、ブラウザで表示しているだけです。そのため、画面を開いていても、作った画像が外に送られることはありません。
VRAMが少ないときの、ほかの工夫
低VRAMモードのほかにも、VRAMが少ないパソコンで画像生成AIを動かすときに気をつけていることがあります。
- 画像を作っている間は、ゲームなどグラフィックボードを使うソフトを閉じておく
- データを軽くした「fp16」の形式のモデルを使う
- いきなり大きすぎる画像を作らず、モデルが得意な大きさで作る
- 作業は同時に流さず、ひとつずつ順番に流す
特に、ほかのソフトがグラフィックボードを使っていると、VRAMが足りなくなって画像を作る途中で止まってしまうことがあります。画像を作るときは、なるべくほかの作業をしないようにしています。
モデルはRealVisXL V5.0
画像生成AIの「モデル」とは、画像を作るための知識が詰まったデータのことです。どのモデルを使うかで、できあがる画像の雰囲気が大きく変わります。今回使ったのは、写真のようなリアルな画像が得意なRealVisXL V5.0というモデルです。データを軽くした「fp16」という形式のものを使っています。
ブログの画像は、記事の雰囲気を伝えるための「写真のような1枚」がほしかったので、リアルな画像が得意なモデルを選びました。
モデルを選ぶときは、利用の条件を確かめる
画像生成AIのモデルは、インターネット上でたくさん公開されています。ただし、モデルごとに、商用で使ってよいか、作った画像をどう使ってよいかといった利用の条件が決められています。ブログの画像のように、多くの人に見てもらう画像を作るときは、使うモデルの利用の条件を、配布しているページで必ず確かめてから使うようにしましょう。
また、モデルのファイルはとても大きく、数GBあることも珍しくありません。パソコンの保存できる容量にも余裕を持たせておくと安心です。
画像の大きさと、細かい設定

画像の大きさは1344×768
画像の大きさは、横1344ピクセル、縦768ピクセルにしています。ブログの記事の中で横長の画像として見やすい形で、使っているモデルが得意とする大きさにも近いからです。作った画像は、そのままでは少し大きいので、横1200ピクセルに縮めて、JPGという形式で保存してから記事に使っています。
サンプラー・ステップ数・CFGとは?
画像生成AIには、いくつか聞き慣れない設定があります。自分が使っている値と一緒に、それぞれの意味を簡単に説明します。
| 設定 | 意味 | 使っている値 |
|---|---|---|
| サンプラー | ノイズ(ざらざらした模様)から画像を少しずつ作っていくときの、計算のやり方 | dpmpp_2m_sde(karras) |
| ステップ数 | 画像を仕上げるまでに、何回くり返して整えるか | 28 |
| CFG | プロンプトの文章を、どれくらい強く守らせるか | 5 |
| シード | 画像の出発点になる、ノイズの種類を決める番号 | 画像ごとに別の番号 |
CFGは、高くすると文章に忠実になりますが、高すぎると色が濃すぎたり、不自然な画像になったりしやすくなります。5くらいの控えめな値にすると、自然な仕上がりになりやすいと感じています。
シードを記録しておくと、同じ画像を作り直せる
シードは、同じプロンプト・同じ設定・同じシードなら、ほぼ同じ画像ができる、という性質があります。気に入った画像ができたら、シードの番号を記録しておくと、あとで少しだけ文章を変えて作り直すといったことがしやすくなります。自分は、画像ごとにシードの番号を決めて、記録しながら作っています。
プロンプトの書き方と、待ち時間

プロンプトは英語で、具体的に
今回使ったモデルは、英語のプロンプトのほうが意図が伝わりやすいので、画像の内容は英語で書いています。「何が」「どこにあって」「どんな光で」「どんな雰囲気か」を、具体的に書くのがコツです。たとえば、「森の中の小さな笛」だけでなく、「朝の光が差し込む森の中で、苔の上に置かれた小さな土笛」のように、場面がはっきり思い浮かぶところまで書きます。
ネガティブプロンプトで「入れてほしくないもの」を伝える
画像生成AIには、作ってほしい内容を書くプロンプトのほかに、入れてほしくないものを書くネガティブプロンプトがあります。たとえば、「文字」「ロゴ」「すかし」「くずれた手」などを入れておくと、そうしたものが画像に出にくくなります。ブログの画像では、意味のない文字や、実在の会社のロゴが入ってしまうと使えなくなるので、ネガティブプロンプトはとても大事です。
題材は「記事の内容に合うもの」から考える
ブログの画像では、何を描くかを決めるのがいちばん大事だと感じています。記事の見出しごとに、その内容を一目で伝えられる題材を考えます。たとえば、ゲームのセールの記事なら「明かりのついた画面の前にある、誰も座っていないゲーミングチェア」、ゲームの発売延期の記事なら「宙に浮かぶ島と神殿の遺跡」のように、記事の雰囲気が伝わる場面を選んでいます。
このとき、実在のゲームのキャラクターや、実在の製品そのものを描かせるのは避けています。権利の問題があるうえ、画像生成AIはそうしたものを正確に描けないことが多く、似ているようで違う、中途半端な画像になりがちだからです。
1枚あたりの時間は約40〜48秒

今回の設定で、1枚の画像を作るのにかかった時間は、約40〜48秒でした。記事1本につき6〜7枚の画像を使うので、記事1本分の画像を作るのに5分ほどかかる計算です。
途中で、少しでも早く終わらせようと、2つの作業を同時に流してみました。ところが、1枚あたりの時間が約80秒に延びてしまい、全体としてはほとんど速くなりませんでした。グラフィックボードはひとつしかないので、2つの作業がその力を分け合うだけになってしまうからです。VRAMが少ないパソコンでは、作業はひとつずつ順番に流すのが結局いちばん効率がよい、というのが実感です。
| 流し方 | 1枚あたりの時間 |
|---|---|
| ひとつずつ順番に流す | 約40〜48秒 |
| 2つの作業を同時に流す | 約80秒(それぞれ) |
よくある失敗と、その減らし方

作った画像は、そのまま使わずに必ず確かめる
画像生成AIの画像は、一見きれいでも、よく見るとおかしなところがあることがよくあります。今回は、作った画像を1枚ずつ確かめて、使えるかどうかを判断しました。ところが、最初のうちは不合格になる画像がとても多く、ある回では19枚中11枚が使えない、という結果になりました。
実際にあった失敗
不合格になった画像には、いくつかの共通点がありました。
頼んでいない文字が入る
巻物や本、ラベルのあるものを頼むと、読めない文字のような模様が入ってしまう。
実在のものに見える
ゲーム機のコントローラーや旗、地図などが、実在の製品や国のものに見えてしまう。
時代に合わないものが入る
昔の港の風景を頼んだのに、海に現代のヨットが浮かんでいる。
主役が描かれない
「遺跡のある峡谷」と頼んだのに、峡谷だけで遺跡がない。
物どうしがくっつく
机の上にたくさんの物を並べると、物と物が溶け合った形になる。
手に持った物がおかしい
剣などを手に持たせると、刃が2本になったり、手から浮いたりする。
失敗を減らした3つの工夫
何度か作り直すうちに、失敗を減らすコツが見えてきました。
机の上にたくさんの物を並べるのではなく、「ギフトボックスがひとつ」のように、画面の主役をひとつにします。
人物や、剣・コントローラーのような手に持つ物は崩れやすいので、人のいない風景や、置かれた物にします。
ヨットや旗が出てしまうなら、ネガティブプロンプトに「ヨット」「旗」「船」などを足します。
主役をひとつにしぼって作り直したところ、それまで崩れていた題材でも、使える画像ができるようになりました。
作り直すのは、失敗した画像だけ
画像をまとめて作るときは、画像ごとに「名前」「シード」「プロンプト」を1行ずつ書いた一覧を用意して、それを順番に流しています。確かめた結果、不合格になった画像があれば、その画像の行だけを書き直して、もう一度流します。合格した画像はそのまま残しておけるので、全部を作り直す必要はありません。
作り直すときは、同じプロンプトのままシードの番号だけを変えるより、題材そのものを見直したほうがうまくいくことが多くありました。たとえば、帆船の港を頼んで旗が出てしまった画像は、シードを変えるのではなく、船そのものをやめて「夜明けの湾と灯台」という題材に変えて作り直しました。旗が出る原因は船にあるので、船を描かせなければ、旗が出る心配もなくなるという考え方です。
できた画像に合わせて、説明文を直す
もうひとつ大事だったのが、画像の説明文(代替テキスト)を、実際にできあがった画像に合わせて直すことです。たとえば、「岩のアーチがある砂漠」を頼んだのに、アーチがなく、砂丘と岩壁だけの画像ができたことがありました。画像自体はきれいで、記事の雰囲気にも合っていたので、作り直すのではなく、説明文のほうを「砂丘と岩壁」に直して使いました。頼んだとおりでなくても、画像そのものに問題がなければ、説明文を合わせるだけで使えることもあります。
よくある疑問
- VRAMが4GBでも動く?:自分は6GBで試しているので、4GBでどうなるかは確かめていません。低VRAMモードを使っても、6GBより時間がかかったり、止まったりする可能性があります。
- ComfyUIはお金がかかる?:ComfyUI自体は無料のソフトです。ローカルで動かす分には、使った枚数でお金がかかることはありません。
- 日本語のプロンプトは使える?:今回使ったモデルは英語のほうが意図が伝わりやすいので、自分は英語で書いています。
まとめ
ComfyUIは、部品をつないで画像を作る流れを組み立てるソフトです。最初は少しとっつきにくいですが、一度ワークフローを組み立ててしまえば、同じ設定で何枚でも画像を作れます。VRAM 6GBのRTX 3050でも、低VRAMモードで起動すれば、1344×768の画像を1枚あたり約40〜48秒で作れました。
画像を作るときの失敗の多くは、画面に入れるものが多すぎることが原因でした。主役をひとつにしぼり、人や手に持つ物を避け、入れてほしくないものをはっきり書くことで、失敗はぐっと減ります。そして、できた画像は必ず自分の目で確かめてから使うことが、いちばん大事なポイントです。